本社移転の経緯

2021年完成新本社
社員に人気のオープンワークスペース

社屋を建てる話は前社長(現会長)時代からずっとありました。震災前に会長が購入したこの土地は、当時は社屋ではなく新しい事業をスタートするための作業場所としての工場(こうば)を建てるつもりでした。その後、時代や情勢、経営方針が変わる中、私に代替わりした(平成27年)後は、建物よりも先に古かった社用車を新しくし、社員の処遇改善をする方に重きをおいてきました。

2年前くらいから少しずつ社屋の構想を練り始めました。社員が集まれる場所が欲しいな。会議ができる場所が欲しいな。社有車も同一敷地内に置きたいな、とも考えていました。実は、私は社屋を建てることには積極的な方ではありませんでした。現場で稼ぐことが基本だと思っていたからです。しかし、本社は事務作業をする場所という以外にも、採用にも大事だし、社外の人がうちを見てファンになってもらう場所でもあると気がつきました。社有車を新しくし、手当もある程度手が行き届いたので、そろそろ社屋についても考えようかな、となりました。

新社屋に盛り込みたかったこと

ワンフロアの2F
開放感あるガラス張りのミーティングルーム

ワンフロアです。以前の社屋もワンフロアだったのですが、一時期工事部だけが別な部屋にいたことがありました。その際、情報や空気感が分断されるのを感じました。やはり全員が仕切りのない空間に集って業務をすることは大切だと思いました。平均年齢は10歳以上若返っています。採用に大きな効果を感じています。

委員会の数も徐々に増え、最近では打ち合わせをしようにも部屋が予約できない、と社員に言われていました。また社員も10年で10名以上は増えたので、社内打ち合わせ・勉強会の頻度も増えてきました。気軽に集まれるようにミーティングルームは複数箇所欲しいと思っていました。

移転後の変化は

休憩やミーティングと活用度が高い1Fオープンワークスペース
創業の歴史がわかるヒストリーウォール
コロナ禍でのグランドオープン
感染対策を万全に少人数に分けての社内ツアーを開催

世代を問わず新空間を楽しんでくれています。以前は自分の席で昼食を食べ、その後も自席で昼寝したりゲームをしたり各自の時間を過ごしていました。今は、一階のスノーピークのテーブルと椅子に集まってワイワイゲームをしたり、おしゃべりをして過ごす若いスタッフが多いです。

来客、社内の打ち合わせも含めて、1Fのオープンワークスペースでやることが増えました。当初はミーティングルームでやることを想定していたのですが、社内外問わず、聞かれて困るということも実は少なく、実際に空間が出来上がってみるとこちらの方が開放感もあり、話しやすいな、と思っています。

あとは、会長、相談役のモチベーションが上がったように思います。会長は新社屋では毎日出社しています。相談役もお客様を連れて社内をよく案内しています。出社してくれて、社員と毎日顔を合わせるだけでも私も社員も安心感があります。会長との情報共有もしやすくなりました。会長がこの土地を購入した時とは異なる使い方の建物・空間にはなりましたが、それでも今のこの状況を喜んでくれているのではないかな、と思っています。

3日間のグランドオープンに間に合わなかった方も含めて、お披露目時の来客が想像以上にたくさんいらして下さりびっくりしました。コロナ禍だし、設備屋の新社屋なんかに正直わざわざ来ないだろう…と思っていました。県内外の方から、本当にたくさんのお祝いを頂きました。実際にここにいらした企業様の中には、新社屋とはいえこんなデザインになっているとは思っていなかったようで(笑)。想像以上の造りに、びっくりされていました。また、4月がグランドオープンだったので、時節柄社内研修を兼ねて新入社員や若い社員さんとぜひ一緒にいらして欲しい、とお知らせ致しました。若い社員さん達からはスノーピークの家具が好評でしたね。

今後、期待する変化は

一般の方向けのワークショップも随時開催中
旧社屋の2倍の面積になった新社屋

岩手ではコロナが日に日に身近になってきています。たくさんの方に新社屋にいらして信幸プロテックのファンになって欲しいし、社員も集まれるのが理想ですが、集まりすぎるのも良くない…という葛藤があります。そこで、動画を作れる者が社内にいるので、勉強会を動画に切り替えていきます。集まってやる勉強会と違い、いつでもどこでも見ることができるのでその方が社員にとっても便利で安全です。新社屋での活動を機に、GOプロという一般・地域の方も参加できる学び企画を月一で始めました。それも動画配信を中心にしていきます。せっかく始めたことなので地域との接点は絶やさず持ち続けていきたいです。新しい働き方・新しいコミュニケーションの形を社員一丸となって模索していきます。

そして、空間も席のレイアウトも変わったので、日々の見える景色が旧社屋時代と違っています。旧社屋よりも広くなったので、その分掃除する領域や気を配らないといけない範囲も増えました。なんでもかんでも役割分担でガチガチに管理したくないというのもあり、新社屋の使い方をどこまでルール化すべきか悩んでいます。

誰かがやってくれていることに気がついて感謝をして、そして自然とやるようになってくれると嬉しいですね。新社屋に来てから、そんな場面を実は何度か目にしています。手拭きのペーパーを率先して補充してくれていたり、これはこう思うからやっておきますね。じゃあ私はこっちを、と社員の意外なリーダー性や気配りを目の当たりにしています。広くなった分、気にすべきことは増えましたが全部負担と捉えずに、気づきのきっかけが増えたとポジティブに捉えています。

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